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zoom RSS 消費税増額は是か,非か

<<   作成日時 : 2010/07/08 22:02   >>

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後3日後の7月11日(日)の参議院議員選挙では,消費税増額問題がにわかにクローズアップされることになりました。自由民主党が10%の消費税を唱えたのに続いて,突然に支持率がV字回復した民主党の菅直人総理大臣が自由民主党の消費税増額を参考にしたいと発言したからでありましょう。
現在の衆議院議員数は,民主党306,自由民主党116,その他58,計480(2010/6/21現在)です。参議院議員数は,民主党116,自由民主党71,その他55,計242(2010/6/21現在)です。
最近の国政選挙では,消費税は問題とならなかった,と思います。即ち,消費税は5%で決まりであったわけです。今回の参議院議員選挙は消費税をどうするかを決定する選挙でありますが,消費税の賛否が有権者の間では相半ばしているのに,今回の参議院選挙では,与野党のいずれが勝とうと,消費税増額に賛成する議員数は,全国会議員数凡そ700人中約500人で ,約7割の絶対多数を確実に占めるでありましょう。
今回の選挙でも,消費税増額問題は尖鋭的に対立する重要な政治問題とは成り得ていないということです。
このような,選挙状況並びに,国会議員の構成予測を下敷きにして,消費税増額は是か,非か,という問題について考えて見たいと思います。

2010年7月8日付け朝日新聞10版13面に,「2010参院選 上げるのか消費税 争論」という特集記事が掲載されています。
争論では,慶応大教授 土居丈朗(たけろう)さん( 1970年生まれ 専門は財政学,公共経済学 編著「日本の税をどう見直すか」で,税制の抜本改革への提言をまとめた) と,経済アナリスト・獨協大教授 森永卓郎(たくろう)さん( 1957年生まれ UFJ総研主席研究員などを経て06年から現職 「年収300万円時代を生き抜く経済学」など著書多数)とが意見を述べられています。聞き手は土居さんのを吉田貴文さんが,森永さんのを尾沢智史さんが担当しています。
そして,その「争論」の下欄に「クルーグマンコラム@NYタイムズ [第3の大恐慌 緊縮財政のツケ,大量失業に] Paul Krugman 53年生まれ,米プリンストン大教授 08年にノーベル経済学賞受賞」というコラムが載せられています。

全体をそのまま載せるのは膨大になりますので,要約して転載したいと思います。

土居さんの意見の要約:
1.できることなら,明日にでも消費税を上げるべきです。何故なら,現在の納税者の受ける行政サービスは現在の納税者が負担する税金では賄いきれず,国債が発行され,その債務は子や孫など後世の負担となります。一方,その子や孫は,少子高齢化が進むため,今ほどは行政サービスを受けることができない。社会保障における世代間での格差は明白であります。
2.消費税の逆進性,即ち低所得者程高率の税金を払う,というのは,確かに1年間に限ればその通りです。しかし,高所得者も老後に貯蓄を使えば消費税を払います。つまり消費税は生涯所得に比例する税金であって,逆進性はありません。
3.金持ちには所得税,相続税を高くすれば良いという意見があります。しかし,その結果は国内企業の海外移転や,金持ちの合法的な節税対策を招いて税収の落ち込みという結果に終わる恐れがあります。消費税は金持ちからも確実に税金を取ることができます。消費税の税率は累進課税のそれより低いので,節税などということを考える金持ちがいなくなるという利点が消費税にはあります。
4.デフレを止めるため,日本銀行はもっと効果的な金融緩和政策をとるべきだというのはその通り。だが,金融緩和だけでデフレが止まり,税収が増えるとは思えない。金融政策で,適切にインフレにし,消費税アップでデフレ圧力が強まれば,その分,さらに金融緩和政策をとればいいのです。

森永さんの意見の要約:
1.消費税を上げる必要なんかありません。ギリシャのようになるというのは悪質なミスリードです。ギリシャの経済危機で,ユーロは下がり,ギリシャ国債は暴落しました。しかし,日本の円も国債価格も上がっています。
2.今の財政赤字は大きい。でもそれはデフレが続いているから,税収が落ちているだけです。デフレを止めれば税収は元の通りに増えます。日銀の金融政策を根本から変えさせて,資金提供を2倍にすれば,デフレは一瞬で止まります。他にも,一般会計と特別会計合わせて200兆円の予算の1割を削れば20兆円出てくる。さらに,公務員の人件費を2割削減する。消費税を上げなくても財源を捻出する方法はいくつもあります。
3.消費税を社会保障財源にするとどうなるか。庶民が収入の8割を消費すると,そこに消費税5%がかかり,収入全体に対する負担率は4%。一方金持ちは収入の5割しか消費しないとすると,負担率は2.5%。金持ちのほうが圧倒的に社会保障の負担率が低いという制度は一体,何なのでしょうか。
4.日本の国全体の純資産は約2700兆円ある。30年で世代が入れ替わるとすると,1年あたり90兆円の遺産が出てくるので,相続税を50%にすれば,1年当たり45兆円の税収になります。所得税は評価額1億円で切って,それより上はごっそり取るべきです。

クルーグマンさんの意見の要約:
1.景気後退はよくあることだが,恐慌はめったにない。経済の歴史において,その当時「恐慌」とあまねく描写された時代は二つだけだ,一つは1873年の恐慌に続くデフレと不安定の数年間であり,もう一つは1929-31年の金融危機に続く大量失業の数年間だ。私たちは今,第3の大恐慌の初期段階にいるのではないかと私は危惧している。
2.この「第3の大恐慌」は何よりもまず,政策の失敗の結果ということになるだろう。世界中で,最近では非常に失望させられたG20首脳会議で,各国政府は,本当の脅威はデフレであるのにインフレについて悩み,本当の問題は不十分な財政支出であるのに緊縮財政の必要をくどくど説いているのだ。
3.ギリシャは厳しい緊縮財政に同意したものの,結果は国債の利回り格差が一層拡大しただけだった。アイルランドは財政支出を大規模に削減したが,市場にスペイン以上に悪いリスクを抱えている国として扱われただけであった。
4.これはあたかも,政策決定者が理解していないと思われることを,金融市場は理解しているかのようである。そして,このような緊縮政策を取ることが投資家を安心させるという伝統的な考え方の勝利の代償は誰が払うことになるのだろうか?その答は,数千万人という失業者たちであり,彼らの多くは何年間にもわたって失業状態が続き,その一部は二度と職に就くことができなくなるだろうということなのである。
(NYタイムズ・6月28日付)

(コメント) 経済学者の豊かな学識に基づくご高説には,素人の私など嘴を入れべきものではないのかも知れませんが,素人には素人なりの独断と偏見で一言いうのが,言論の自由かと思いますので,各先生のご意見について,一つずつ疑問を呈したいと思います。

土居先生へ:
「金融政策で,適切にインフレにし,消費税アップでデフレ圧力が強まれば,その分,さらに金融緩和政策をとればいいのです。」ということですが,それで上手く財政健全化ができますか。できることを祈りたいです。

森永先生へ:
相続税や所得税で高額税金を金持ちに課すことが,経済を冷え込ませて,却って財政悪化を招くことになりませんか。招かないことを祈りたいです。

クルーグマン先生へ:
「ギリシャは厳しい緊縮財政に同意したものの,結果は国債の利回り格差が一層拡大しただけだった。」とのことですが,金融市場はギリシャの放漫財政を食いものにした後,ギリシャの巨大赤字から逃げ出しただけではありませんか。対処不能となったギリシャの巨大赤字を諸外国の金融市場が親切に解消してくれることを祈りたいです。

難しい理論は分かりませんが,貧乏人も平等に税負担する消費税に,私は賛成です。納税の義務を果たして,貧乏人の私も大きな顔をして,政治問題や社会問題に関わりたいからです。多額納税者だけが大きな顔をして,低額納税者や納税免除者が国のお恵みで意気地なく生かされているような社会は好きになれません。
(記入:10/07/08 21:30 藍愛和)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
問題は消費税ではありません。マスコミに騙され、敵と味方を間違えないことが大事です!
愚民化政策を行い、子供たちを不登校や引きこもり、ワーキングプア、ネットカフェ難民にした「自民党・官僚政治」を生き返らせてはなりません。国民を不幸にし、国を腐敗させた政治を、今回の選挙で完全に絶滅しなければなりません。
「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読みましたか。子供を壊される恐怖と、腹の底から込み上げる怒りを感じませんでしたか。これ以上、だまされ子供を不孝にするのは止めましょう。
この参院選は、官僚に支配され特別会計も教育も問題にしないマスコミに騙されず、「自民党・官僚政治」を滅ぼす日本国民の最終決戦です。
大和
2010/07/08 23:06
大和さん,今日は。コメント有り難うございます。

>「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読みましたか。

すみません。未だ読んでいません。この書物,著者,出版社についてインターネットで検索しました。ご主張がどのようなものであるか,大体,了解しました。

物事を楽観視することはしないタイプの人間だ,と私は私自身を考えていますが,別に悲観ばかりするわけではありません。

1991年,フィリピンのルソン島にある火山 ピナトゥボ山が大噴火しました。満天を覆う火山灰のため,昼なお,暗闇となった下界で,住民がトラックで避難する様子がテレビで放映されました。
トラックに初めて乗ったのであろう,子供達の大喜びしている笑顔がアップで映りました。その姿に,人間はどんな状況でも,強く生きることができるのだなぁ,と胸を打たれたのを思いだします。
これからの時代が困難なことは予測されます。しかし,朝の来ない夜はないことを信じて生きてゆきたい,と私は願っています。
藍愛和
2010/07/09 07:09

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