日本の対外戦争と世界の情勢

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zoom RSS 日清戦争・その十一

<<   作成日時 : 2006/01/17 19:52   >>

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前回その十で記した資料が手に入りましたので次ぎに示します。これらの資料を調べても、事件は益々複雑さを増すばかりで、到底一庶民の手には負えません。しかし、生の原資料を幾つか丹念に調べることは、ある程度自分なりの結論に到達することを可能にするのではないでしょうか。決して固定観念に縛られるのでなければ、今後他者のそれぞれの主張に対して、科学的、論理的判断を下し得る可能性が高まると確信します。同じ事が現在進行中の事件・問題を理解する場合にも当てはまると思います。

市川正明編 日韓外交資料第五巻 韓国王妃殺害事件 原書房 から引用します。

1895(M28)/10/30一八二 在芝罘久水領事より原外務次官宛 京城騒乱の下手人日本人なるを実見せる露人サバチン本地来港の件 京城事変の際王宮にありて日本人該事件の下手人なるを実見せしと新紙にて公広せられたる露人サバチン氏は凡そ一週間前当地着多分二十四日入港の露艦にて仁川より来たりしものならん。未だ詳らかならず。
同氏は深く其の所在を秘し誰人にも面会せず。「シーヴユーホテル」の一室に潜み居るは何にか意味あり気に相見え候えどもその実我が身に危害あらんを恐れ当地に逃げて来たりしならんと考えられ候。下官仁川在勤中同人と相知るに付き、尋問せんかとも考え候えども同人は大神経家に付き到底面会せざるを察し、敢えて試み申さず候。
同氏は本日出帆の露商船ウラジミル号にて長崎を経、浦潮に向け航海致し候。右念の為、御参考までに申し進じ候也。明治二十八年十月三十日 芝罘二等領事 久水三郎 外務次官 原敬殿 
(追記)同氏は露領事の外誰人にも面会せずとせば、京城の実況を聞きしは同領事のみと存じられ候。尚聞き込み次第申し進じ候。

1895(M28)/11/23二七九 在京城内田領事より西園寺外相代理宛 米人ゼネラル・ダイ尋問に関する件 かねて草野検事正より嘱託ありたるにより、今回事変の当時王宮内に在りたる米国人ゼネラル・ダイなる者に面会し、当時の模様を尋ねたるに同人は日本の兵士及び壮士の者王宮に乱入せしを見たれども、王妃その他の当国人を殺害せるを目撃せず、又其の死骸をも見たることなし、と言えり。
されども同人の案内により王宮内を巡行中、平服を着し小官に随行せる内田巡査(同巡査は八日の朝三浦公使の護衛として王宮に入り、王妃の死骸の焼かれ居るを目撃せり)は王妃の死骸を焼きたる場所を内々小官に指し示せしが、同所は今尚ほ其の痕跡を残せり。併しダイは之に気づかざるものの如し。右小官の見聞せる事実中、裁判所に通報し差し支えの廉あらば御訓示を乞う。露国人サバチンは過日当地を立ち去りたる儘未だ帰来せず。


[コメント]日清戦争後の王城事変(王妃殺害事変と春生門事変)は、当時の世界情勢の渦に巻き込まれて、資料を見れば見る程、私には事件の真相が益々深く、濃く混迷の霧に包まれて行くような気がします。唯、次のような事が言えるのではないかと考えます。

1.王妃殺害については、事変前の情報は三浦梧楼公使が最も良く把握していた。
2.しかし、三浦梧楼公使は殺害現場については、伝聞情報しか持っていなかった。
3.殺害現場の情報は、米国人ダイ氏、国太公陛下、国王陛下、王太子殿下と真犯人が最も正確に事実を確認することが可能な立場にあったと思われるが、誰も真実について語ろうとせず、明白に隠蔽の意図を持っていた。
4.春生門事変については、日露米三公使館が三つ巴の謀略合戦をした後、大事に至らず、直ぐさま鎮圧された。しかし、その影響は以後の朝鮮情勢に多大の影響を与えた。
5.王宮内の守備を嘱託された米国人ダイ氏は王妃殺害事変と春生門事変との両現場に居合わせた。彼こそは王城事変のキーマンである。
6.王妃殺害事変の直後、日本人による朝鮮王妃殺害とのニュースが世界中の新聞社に配電され、日清戦争の勝利者日本のイメージは地に落ちた。
7.三浦梧楼公使と大院君とが起因となって発生したとされる王妃殺害事変は日本に決定的な損害をもたらした。日清戦争の和平交渉時における李鴻章全権大使銃撃事件が日本にもたらした損害以上のものがある。
8.春生門事変では露米二国は罪を犯しながらも罰を受けなかった。王妃殺害事変では日本の三浦梧楼氏等は逮捕・裁判という罰を受けた。その結果、露米二国は一兵も失うこと無く、日清戦争の勝利者日本を差し置いて、以後の朝鮮利権獲得にフリーハンドの「好辞柄」を手に入れてしまった。
(記入:06/01/17 19:50 藍愛和)(最終更新:06/01/18 07:05 藍愛和)<//span>

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