日本の対外戦争と世界の情勢

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zoom RSS 日清戦争・その五

<<   作成日時 : 2005/12/01 14:07   >>

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日清戦争当時の日本と諸外国との外交交渉について、
 日本外交文書 第二十七巻 
 自明治二十七年一月至明治二十七年十二月 その一・その二
等を参照しながら、調べたいと思います。その四では事項八の 9/8四四六 までを引用しました。今回は事項十 朝鮮国出兵に関し列国と交渉一件 から引用します。以下の記述で日付は全て 1894(M27)年内の日付です。日付の後の漢数字は文書番号です。

6/11六一一 陸奥外務大臣より各国駐在公使宛 朝鮮国への出兵に関し通知の件 6月9日起草 6月11日発遣 機密 外務大臣陸奥宗光 在外各公使領事宛 但し在京城大鳥公使を省く 朝鮮へ出兵之旨趣通知之件 朝鮮東学党内乱のため、清国は朝鮮の要請により出兵、天津条約に従い日本に通知 日本は当地駐在の官民保護のために出兵 清国は朝鮮を属邦としているが、これを日本は認めない。その地官民に相接せられ候際は右の旨趣を以て然るべく御弁明成されるべく候
6/12六一二 英国駐在青木周蔵公使より陸奥外務大臣宛(電報) 朝鮮問題に関し英国政府の態度通告の件 英国外務大臣は日清が英国に不利な行動をしないこと、露国の侵入予防になるなら日本の出兵容認、方便の有らん限り日清開戦避くることを希望 6/13六一三 青木公使より陸奥外相宛(電報) 英国政府の態度は日本軍の駐兵に不満なる旨報告の件 6/17六一五 清国駐在小村臨時代理公使より陸奥外相宛(電報) 在清英国公使日本軍朝鮮派遣に反対なる旨報告の件
6/23六一八 露国駐在西公使より陸奥外相宛(電報) 露国政府の態度に関する風説報告の件 露国政府は清国政府に朝鮮の独立を侵さざるべき旨約したりと聞けり
6/24六一九 英国駐在青木公使より陸奥外相宛(電報) 日清交戦は第三国の干渉招く 日清撤兵の後談合しては、との英国外相の意向 もし貴大臣英国斡旋望まれるなら、先ず本使に報告されたし

6/25六二十 陸奥外相露国公使ヒトロヴオー氏対談概略 清国撤兵の上、(第一)日清協同して朝鮮改革、又は(第二)第一叶わぬ時は日本独力の改革に清国干渉せざる事、の何れかが約束されれば、日本も撤兵 露国公使に左の二件を確言 (第一)日本には朝鮮の独立と平和安寧の他の意向無し (第二)日本は自ら清国に交戦を挑むこと無し 
6/25六二二 清国駐在小村臨時代理公使より陸奥外相宛(電報) 駐清英国公使の意向報告の件 British Minister suggests that 王大臣 will be disposed to consider proposals if they are approached on a basis of the integrity of Coreanterritory and prevention of disturbance. (英国公使が、王大臣は朝鮮領土の保全と動乱防止とを基礎として交渉するつもりであろう、との示唆をなしている) 6/28六二四 小村公使より陸奥外相宛 露国公使の動向に関し報告の件 露国公使と李鴻章氏秘かに会談 その結果として露国政府の意向生じたりと信じられる

6/28六二五 小村公使より陸奥外相宛 各国公使の動静報告の件 (報告に登場の人物: 李鴻章氏 露国特命全権公使カウント、カシニー氏 露国代理公使ウエバー氏 在天津ドイツ領事セツケンドルフ氏 清国駐在ドイツ特命全権公使バロン、ホン、シエンク氏 露公使カシニー氏の随行員パブロー氏 仏国特命全権公使ヂエラルド氏 英公使オコール氏)
6/29六二八 米国駐在建野郷三公使より陸奥外相宛 朝鮮公使米国の調停を請いたる旨の国務卿談話報告の件 国務卿本使と面談の折り朝鮮公使米国の調停を請えりと 本使思うに、米国政府にては朝鮮問題に付き中間に立つ事は為さざるべけれとも本使は今少し我が帝国政府の意向を詳しく承知したし

6/30六三三 露国公使より陸奥外相宛 朝鮮政府は同国の内乱既に鎮定したる旨を公然同国駐在の各国使臣に告げ又清兵並びに日本兵を撤回せしむる事に付き該使臣等の援助を請えり因って本官の君主たる皇帝陛下の政府は本官に命じ日本帝国政府に向かいて朝鮮の請求を容れられん事を勧告し且つ日本が清国政府と同時に在朝鮮の兵を撤回する事に付き故障を加えらるるに於いては重大なる責めに任ずべきことを忠告致し候 前陳の事を外務大臣閣下に申し通ずると共に重ねて茲に敬意を表す 露暦千八百九十四年六月十八日即ち千八百九十四年六月三十日 ヒトロヴヲー 外務大臣陸奥宗光閣下
7/1六三五、六三六、六三七 陸奥外相より青木公使、大鳥公使、小村臨時代理公使各々宛(電報) 英露両国政府の申し入れに関し通達の件 日本政府は決して露国の指図に従わず 在日本英国代理公使の申し入れはかれこれ矛盾あり了解できず、しかし分明の説明あればこれを欣然受理すべし 等々
7/1六三八 小村公使より陸奥外相宛 朝鮮問題に関する仏国公使の意向報告の件 仏国公使清兵七千五百平安道の平壌に上陸予定との報知得たりとのこと 同公使は開戦を非とせり且つ曰く朝鮮における仏国の利害は只宣教師を保護する事のみなりと

7/3六四一 青木公使より陸奥外相宛 朝鮮問題解決に関する英国外相の意向報告の件 英国外相は清国の朝鮮宗主権を議題から外して開談すべしとの意向 露国の交渉拒絶には英国との交渉を口実とされんことを本使は建議す
7/4六四三 小村公使より陸奥外相宛 清国はロシアの支援を当てにしている 派兵増強の時機を失してはならない 朝鮮における日本の優位がロシア進出の阻止に役立つことを英国に得心させることは左程困難でない
7/6六四五 青木公使より陸奥外相宛 英国の与論日本に好感を寄する旨報告の件 7/8 六五一 青木公使より陸奥外相宛 露国の干渉を排撃するため日清の速やかなる談判を英外相より希望の件
7/9六五二 米国公使より陸奥外相宛 米国政府は朝鮮国の独立並びに主権尊重を希望する旨通告の件 7/9六五五 露国駐在西公使より陸奥外相宛 露国政府日清間の速やかなる平和取り決め希望なる旨報告の件
7/10六五六 駐米建野公使陸奥外相宛 米国政府日清間仲裁の意向報告の件 7/12六五八 青木公使より陸奥外相宛 英国政府日本政府の提議受諾を清国に共同勧告方列国へ申し込みたる旨報告の件 英国外相曰くこの申し込みは露国が単独に干渉する事を防御する為の手段なりと

以下なお、列国から多くの提案や話し合いが日本に対してなされています。国名のみを順に列挙します。
7/13六五九露国 7/13六六十獨国 7/17六六四英国 7/18六六五英国 7/19六六七米国 7/19六六八英国 7/21六七十英国 7/22六七二露国 7/22六七三英国 7/22六七四英国 7/22六七五英国 7/24六七八露国 7/25六七九伊国 7/27六八二露国 7/28六八三英国

7/31六八七 陸奥外相より各国代表者(清国公使を除く)宛 清国と戦争状態に入れる旨通告の件

[コメント] 列国のそれぞれの思惑を込めた外交合戦も激しさを増す中、遂に明治二十七年八月一日我が国に宣戦の詔勅が発布されました。日清英米露獨仏等全ての国が朝鮮の独立と平和を声高に唱えはするが、追求するのは自国の利権のみ。日本が初めて諸外国と同じ帝国主義戦争へと打って出ました。日本国内では戦争推進、領土拡張、利権獲得の世論が沸騰し、世界の流れを理解することなく、自らが非難する植民地主義を自国の行動規範とするという拙劣な行動を始めました。
世界の流れとは何か、私の独断と偏見とを以て言えば、支配者と被支配者との勢力均衡及び精神文化と物質文明との勢力均衡です。何れか一方に偏するものは世界の流れから取り残されましたし、これからも取り残されます。
より良き世界はより曖昧な世界ではないかと思います。分かり易い説明で真理なるものを説明しようと努力する者が多くいますが、大抵は失敗して一方に偏する傾向があります。世界を明確に定義し、説明することの出来る原理を未だ人類は持っていない、と私は考えています。
その原理探求こそ困難なそして終わることのない人類の「業」ではないでしょうか。原理探求を放棄することは一方に偏した世界に安住しようとすることになるでありましょう。別の言い方をすれば既成の原理に固執する者はやがて滅亡するでありましょう。
(記入:05/12/01 14:10 藍愛和)

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